GIZMODEの『知らないと恥ずかしい21世紀のフューチャリスト用語20』をビジネス的観点から考察してみる。

   

GIZMODEにこんな面白い記事がありました。

GIZMODE『知らないと恥ずかしい21世紀のフューチャリスト用語20』
フューチャリスト(未来学者)に聞いたこれからの社会を考える上で知っておくべきキーワードの紹介です。
未来学者とは、未来の社会のあり方を考える研究ですが、当然、そこには今後、どういったビジネスが拡大するか、あるいはビジネスそのもののあり方がどのように変わるかという視点も含まれています。そこで、GIZMODEが取り上げた各キーワードに基づいて、今度の社会では、どのようなビジネスチャンスが考えられるかを考えてみたいとおもいます。

17333555004_015056ce8b_z出典:Flickr perceptions (off)

1. Co-veillance(コベイランス=相互監視)

相互監視社会の到来に関するキーワードです。
監視社会についてはプライバシーの問題から不安視する声が絶えません。
iPhoneのロックに関して、AppleとFBIが論争を繰り広げているのはその象徴といえると思いますが、今後、プライバシーはインターネット社会の最大の論点になるのではないでしょうか。規模を問わず、大規模なデータ流出がニュースになる世の中では、誰しも、自分のデータが自分の知らないところで悪用されるリスクについては敏感になるでしょう。

一説では、今、大きな話題となっているパナマ文書に関しても、Webサイトからのハッキング行為によって流出したのではないかと言われています。

しかしながら、ほとんどすべての悪事を行わずまっとうに生活する一般の人々にとっては、データを提供することで安全が確保されるのであれば、条件つきでのデータ提供、あるいは監視社会を許容していくのではないでしょうか。

これは、確か、ジャック・アタリなども述べていたと思います。

日本でも、街角に監視カメラが設置される例が増えていますが、防犯を理由とした監視社会はすでに社会の中に浸透し始めています。

今後、ビジネス上、ニーズがあると予想されるのが、万が一、犯罪にあったときへの対応を行うソリューションやデバイスです。

例えば、財布にチップを組み込み、盗まれても気がつくようにしたり、靴などに埋め込んだウェアラブルデバイスを利用することで、強盗犯に遭遇した時もその姿や音声を自動で録画したり、セキュリティ会社に通報したりといったビジネスです。

また、逆監視という例でいうと、国家機関や行政機関、権力者のデータを監視することによる不正の防止という観点が考えられます。

情報公開法に基づき、地方自治体の予算に対するパフォーマンスをコンピュータで計算し、改善を要求することで、より効率的な運用モデルへの転換を促し、自分たちの済む地域の財政の改善や税金の減額を促す活動なども考えられるでしょう。

あるいは、パナマ文書などがまさにそうですが、国家をまたがった法律の抜け穴を利用した脱法行為に対して、クラウドソーシングや人工知能を利用した情報分析を行うことで、相互関係を明らかにし、不正蓄財や汚職などを防ぐということも考えられます。

2. Multiplex Parenting(多親育児)

複数の親の遺伝子を持つデザイナー・ベビーですね。
これは、人間の選別につながる問題なので、かなりセンシティブな議論を引き起こすことになるでしょうし、国家や宗教的な理由によって禁止されることも多いでしょうが、想定できるビジネスとしては、優秀な能力をもった人間の遺伝子や精子を販売するビジネスです。スポーツ選手や研究者、起業家、ファッションモデルなどの遺伝子は高く売れることになるでしょう。あるいは、人種的コンプレックスを持つひとが海外の外国人の遺伝子を購入するということも起きるでしょう。

また、共同で子育てをしたいというコミュニティがそれぞれの人間の遺伝子を合成し、子育てをすることも考えられるかもしれません。そうなると、親子の概念も変わらざるをえないでしょう。3人の父と3人の母を持つ子どもなんていう子どもが出てくるかもしれません。

神や自然に対する冒涜だと批判する人が出てくるいっぽうで、新たな家族のあり方だと主張する人も出てくるでしょう。

バイオテクノロジーが社会構造に変化をもたらす象徴的な一例となりそうです。

3. Technological Unemployment(テクノロジー失業)

今年、人工知能の発展に伴って、まさに、もっとも議論されている話題となった一例かもしれません。
ロボットが引き起こす失業のことですね。記事中にもありますが、ベーシック・インカム(最低限所得保障 GMI:Guaranteed minimum income)はこの5年以内により議論される問題になると思います。

もし、テクノロジーの進化によって、失業が急増すると、「仕事」とは何かの概念も変わらざるを得ませんね。
仕事に就くことが難しくなる一方で、これまで、働くことで得ていた「教育」「マイホーム」「自動車」などの高額商品も劇的に安くなることも考えられますので、そもそも無理して働かなくても、より、好きなことを仕事にできる可能性が増える世の中になるかもしれません。

一方で、一部の高度な技術をもった企業が独占的にその他多数の人間を支配する世の中になってしまうと社会構造が持ちませんね。ただ、そうなると、資本主義のシステムそのものに限界がくるでしょうから、人間は新たな経済モデルを摸索しはじめるでしょう。

ビジネスに関して言えば、教育システムに大きな変化が起きるのではないでしょうか。単純作業というのが不要になるので、高度な技術のみが必要とされる世の中となります。いわゆる生涯教育により、社会に出た後も一部のコンピュータにより代替が難しい領域に関する研究や活動が盛んになるでしょう。

4. Substrate-Autonomous Person(底質独立型人間)

翻訳があまりよくないと思うのですが、「Substrate」は回路基板のことですね。回路基板型人間といったところでしょうか。

プラットフォーム変換可能な肉体(物理的に装着・使用可能だが、同時にコンピュータ環境やヴァーチャルシステムの中にも存在しうる未来の体)

つまり、人間は、肉体的な制限を超え、リアルな空間にも、バーチャル空間にも自由に行き来することができるようになるということですね。これは、バーチャルリアリティの進化とともにそんなに遠くない未来にかなり現実的になるでしょう。

記憶のアップロードやダウンロードといった概念が実現されるのは、もう少し先になるでしょうが、リアルな社会とバーチャルな世界の境界が薄れていくというのは、5年以内に起きるVRとARの進化によって身近なものになると思います。

SecondLifeというバーチャル空間内で活動するソフトウェアがあります。
一時期、日本でも話題になりましたが、そのあと下火になりました。
ただし、これは概念自体に問題があったのではなく、コンピュータリソースを大量に使わなければいけなかったり、ハードウェアの処理速度が遅く、ユーザが違和感や不快感なく操作するというレベルに達しなかったことが原因だと思います。
また、ハードウェアの進歩とともに、バーチャル空間の中での活動が一般的になる時代が来るのではないでしょうか。

バーチャル空間内でのイベントの実施、商品のデモンストレーション、パーティの開催、教育、こういったことが当たり前に行われる未来はそう遠くないと思います。

その時、人間は「場所」について考えなおさざるを得ないのではないでしょうか。
「現実のような臨場感」を手に入れることで、都市に集中している人口が逆転する可能性もあるでしょう。

5. Intelligence Explosion(知性爆発)

「技術的特異点(シンギュラリティ)」に代わる新語です。

シンギュラリティという言葉がAI(人工知能)以外のテクノロジーの進化の組み合わせを伴うのに対して、AI(人工知能)が人間を追い越したらどうなるのかを考えるために生まれた言葉です。

これは、よく議論される問題ですが、個人的には、コンピュータが自我を持ったり、フレーム問題を解決するのは難しいのではないかと考えていますので、起きたとしてもかなり先になるのではないかと思います。

ただし、人工知能の進化のスピードは今後、ますます早くなるでしょうから、ここ10年を考えると人工知能関連で大きなビジネスチャンスが考えられそうですね。

少なくとも、

与えられた条件の中で問題を解く

ということについては、かなり研究が進むと思います。

現在、高度な知的専門職とされる医者、弁護士、税理士、エンジニアなどの仕事についても、多くは人工知能に代替されることになるでしょう。しかし、「問題を解く」のではなく、「何が問題かを想定する」ということについては、まだ人工知能も苦手とするでしょうから、この分野はまだ人間が必要とされそうです。

長くなるので、続きはまた改めて別にポストします!

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