FacebookとLINEがメッセンジャー用のプラットフォームをオープン化

      2016/03/30

このブログでもずっと取り上げているChatUIの未来に関する方向性ですが、今週、その中心プレイヤーとなるFacebookとLINEが3月25日に同時にビジネス用プラットフォームを発表しました。

Facebook、Messengerプラットフォームを公開。コンテンツ作成や企業との対話に利用

【LINE】ビジネスプラットフォームのオープン化戦略を発表

facebook-and-line
Facebookに関しては、以前から噂されていましたが、LINEについては、以前の記事でOPEN化戦略を取るかどうか気になっていたので、やっぱり来たかという印象でした。
ただ、想像していたよりかなり積極的な展開の印象です。

これで、Facebook、LINE、Wechatを中心とした主力メッセンジャーアプリがグローバル規模で衝突し、その周りをサードパーティが追随してビジネスモデルを模索するという流れになりそうです。

少し残念なのは、smartnewsとGunosyの動きですね。Gunosyは2014年に大々的にプラットフォーム構想を打ち上げましたが
その後、どうなったのかさっぱりわかりません。smartnewsもテレビ視聴という謎の機能を追加し、迷走しているように見えます。

スマートフォンユーザを大量に抱えている日本国内の事業者でなおかつゲームをしないような人たちにも浸透しているアプリとしてこの2社に関してはLINEを追随できるポジションにいると思うのですが、今のところプラットフォーム戦略がうまくいっているようには思えません。逆に、このタイミングでビジネスアカウントの扱いに慣れたLINE社が参入することで、両アプリのプラットフォーム化はかなり厳しくなったといえるのではないでしょうか。

LINE社は、ナショナルクライアントを中心とした大企業アカウント、LINE@を中心とした中小企業アカウント、クリエイターズマーケットを中心とした個人アカウント、今回の発表により明らかになったWEBサービス提供者アカウントと見事に異なる業態のビジネスを進化させており、あっぱれという他、ありませんね。

それでは、FacebookとLINEのプラットフォーム戦略に関して見ていきましょう。

■Facebook

Facebookの「Messenger Bot Store」が、App Store以来の大革命となるかもしれない(2016年3月25日のFacebookのF8カンファレンスの2日前に公開された記事)

Facebook、Messengerプラットフォームを公開。コンテンツ作成や企業との対話に利用(2016年3月25日のFacebookのF8カンファレンスで公開)

Facebookは噂されていた通り、Messengerプラットフォームをサード・パーティに開放しました。
初期のコンテンツパートナーは下記とのことです。
(※名称の後の括弧内のサービス内容は、管理人調べなので誤りがあるかもしれません)

ESPN (スポーツ中継)
Bitmoji (アバターを使ったオリジナル絵文字)
JibJab (e-card。デジタルのギフトカード)
Legend (テキストをアニメーション化)
Ultratext (テキスト入りのGIFアニメを作成)
Ditty (メッセージを歌にする)
Giphy (簡単GIFアニメ作成)
FlipLip (ボイスチェンジャー)
ClipDis (簡単GIFアニメ作成)
Memes (簡単面白画像作成)
PicCollage (写真加工)
Kanvas (GIFアニメ作成)
JJ Abrams’ studio Bad Robot’s Action Mobie FX (スターウォーズやLOSTのプロデューサの制作会社。
動画に映画効果を合成できるアプリやスターウォーズのアプリを出している)
Boostr (GIFアニメ作成)
Camoji(写真をGIFアニメにできるカメラ)
Cleo Video Texting(GIFアニメ加工)
Clips(コンテンツ保存)
Dubsmash (なりきり口パクアフレコ)
Effectify (面白セルフィー)
EmotionAR (AR作成)
EMU (アニメーションセルフィー作成)
Fotor (写真加工)
Gif Keyboard (簡単GIFアニメ作成)
GifJam (簡単GIFアニメ作成)
Hook’d (ソーシャルカラオケ)
Imgur (画像共有)
Imoji (顔からスタンプ)
Keek (動画SNS)
Magisto (動画加工)
Meme Generator (面白画像作成)
Noah Camera (セルフィー加工)
Pic Stitch (写真コラージュ)
PingTank (写真を2D,3Dアニメに)
Score! on Friends
Selfied (セルフィー加工)
Shout (セルフィー加工)
StayFilm (ムービー作成)
Facebook Stickered (Facebookスタンプ)
Strobe (写真からGIF作成)
Tackl (フットボールの結果にイメージを追加)
Talking Tom (かわいいペット)
Tempo (ムービー編集)
The Weather Channel (天気予報)
to.be Camera (指定した色だけを透明にするカメラ)
Wordeo (ムービー編集)

(※数が多かったのと名前も同じ/似たようなアプリが多かったので間違えているものもあると思います。ご興味のある方は個別に調べてみてください。あしからず)
こうやって見てみるとGIFアニメ作成やセルフィー作成ばかりという印象も受けますが、、、、スマートフォン上でユーザによく使われそうなアプリが並んでいます。

このプラットフォーム上でどこまでできるかわかりませんが、セルフィー加工やGIFアニメ作成はともかくとして、同時プレイのゲームや、複数のユーザが同時に投稿やアクションできるようなインターフェイスまで拡張できるのであれば、ユーザアクションもかなり変わってくる気がします。例えばニコニコ動画のように一つの動画に複数人でコメントするようなインターフェイスなど。この場合、既存のMessengerのように右と左に交互に吹き出しが出るというインターフェイスにこだわらず、画面スクロール無しでその場で動画やゲームにコメントが残せるようになると面白い気がします。既存のChatUIはよくも悪くも縦にダラダラと続いていくのでSnapChatのように消える前提でも体験共有ができたりといったMessenger固有の体験が差別化の要因になる気がします。初期の段階ではそこまではできないでしょうが、メッセンジャーがプラットフォームになった時に次はChatUIにどこまで汎用性を持たせるかという戦いになるのではないでしょうか。

ビジネス用プラットフォームについても開発中とのことで、これがオープンになると、企業はMessengerを通じてユーザーとチャットできるようになります。この点については、FacebookもまだLINEやWeChatに遅れを取っている印象を受けます。

■LINE

続いて、LINEですが、こちらもかなり盛りだくさんです。攻めに攻めているという感じです。

【LINE】ビジネスプラットフォームのオープン化戦略を発表

1つ目はWebサービス向けに開放されるOfficial Web Appという仕組みです。

パートナーは
@cosme、一休.com、食べログ、出前館、リクナビ2018、Goo-net、アットホーム、Oisix、ANAP、[.st]、DHOLIC、LOHACO、ロコンド、airCloset、ドミノ・ピザ、エン派遣、Shop Japan、haco!、BUYMA、TripAdvisor、American Eagle Outfitters、OLIVE des OLIVE、SHOPLIST.com by CROOZ、Retty、ヒトサラ、ポケットコンシェルジュ、EPARK、KamiMado、relux、キャリタス進学、はたらこねっと、bento.jp、LANAREY、THEATRE PRODUCTS、Million Carats、Sow Experience、ESPERANZA、ゴルフダイジェスト・オンライン、 CaSy、ORIGINAL STITCH、Makuake、ENj!NE、akippa、軒先パーキング、asoview!

です。

つまり、LINE上からスムースに会員登録を促し(オートログイン)属性ごとに(プロフィール+)アクション(プッシュ通知やメッセージ配信)を行い、決済(LINE Pay)まで行えて、なおかつ「LINEポイント」によるインセンティブまでつけられるということです。

Webサービス事業者にとっては、LINEのユーザを活用したマーケティングが行えるということで、これでLINEが正式にYahooJapanの競合になったような印象も受けます。

2つ目は中小企業(SME)アグリゲーター向けのSMEパートナーシッププログラムというプログラムです。

パートナーは
ホットペッパービューティー、食べログ、出前館、アットホーム、CHINTAI、HOME'S、Goo-net、Shufoo!、Reservia、EPARK、TORETA、ebica予約台帳、ポケットコンシェルジュ、キャリタス進学
です。

中小企業事業者を顧客に持つ「食べログ」、「ホットペッパービューティー」、「出前館」、「HOME'S」、「Goo-net」などの企業と提携し、飲食店や美容院などにLINE@の導入を促し、LINE@をインターフェイスとした仕組みを提供しようという試みです。例えば、LINE@上からユーザが予約確認をしたり、物件問い合わせをしたりできるようになります。

3つ目はディベロッパー向けのLINEのメッセージングAPIのオープン化です。

「LINE Beacon」という仕組みにより、店舗に訪れたユーザにクーポンを提供したりできるようになります。

また、CRMシステムとの連携などもできるようになります。

企業にとってのLINE活用というのは、これまで、無料スタンプの提供によるダイレクトメッセージの配信という側面が大きかったですが、上記の取り組みにより、日本中のほとんどの企業にとってかなり多様なことがLINE上でできるようになったのではないでしょうか。ピザを注文したり、バイトを紹介してもらったりというだけでなく、「広告」、「予約」、「予約確認」、「申し込み」、「決済」、「問い合わせ」、「推薦」、「クーポン管理」、「ポイント管理」

もちろん、網羅性、一覧性という点においてはオリジナルのWebサイトのほうが優位性があるでしょうが、それを除くとある意味、なんでもLINEがあれば済んでしまうという状況になる可能性を秘めています。

これは、紹介していた、ChatUIをリモコンとして利用するという方向性としてまさに一致していますから、当分、国内ではLINE社の一人勝ちが続きそうです。

そして、繰り返しになりますが、それにより一番ダメージを受けるのがYahoo Japan社になるのではないでしょうか。

アメリカではYahooがまた大変なことになっていますが、日本のYahooも攻め方を考えなければ、ビジネスモデル不在と言われかねません。

LINEというのは1/3は元Livedoorですから、PCのプラットフォーム戦争に負けたLivedoorがスマートフォン時代のプラットフォームを見据えて、果敢にYahooを置き去りにしようとする構図は見ていて面白いですね。Livedoor時代に培った企業やWebサービス事業者とのコネクションも強いので他社の追随も難しいでしょう。

同じ韓国系ということで、来年くらい、ロッテの代わりにプロ野球に参入したりして(笑)
まあ、LINEを知らない人はいないというくらい知名度高いのでわざわざプロ野球参入するメリット少ないでしょうが、、

逆にコンテンツ関連に関しては、ディベロッパー向けのメッセージングAPIの開放とだけあり、Facebookのように、LINEスタンプの代わりとなるようなユーザ間コミュニケーションに使えるコンテンツをどこまで許容することになるのかはまだわかりません。
LINE社はFacebookと異なり、スタンプ販売をビジネスモデルのコアにしていますから、この点についてはオープン化しない可能性が高いかもしれません。あるいはFacebookの動向を見極めて、実験的に徐々に追加していくようなイメージになるかもしれません。
Facebookコンテンツで多く見られたようなMeme(ミーム)いわゆる面白GIFアニメというのは、アジアではスタンプが同じ役割をしているでしょうから、何かそれ以外にユーザ同士で使えるコンテンツがなければLINE社があえてプラットフォーム化する必要性も少ないかもしれません。

それから、LINEの一人勝ちとYahoo Japanの危機みたいな書き方をしましたが、5年間の戦いとして見るとそもそも、スマートフォンというインターフェイスが次のデバイスに代替される可能性も高いですから(VR/AR/MR)、すでに気がつかないところで次の戦いが始まっているのかもしれません。IT業界は栄枯盛衰。毎年、ビジネスチャンスがあるようなものですから、スタートアップの切り口は無限にありますね。

引き続き、動向を見ていきたいと思います。

■管理人より
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