IoTの標準化を目指す主導権争いについて

   

みなさん、こんにちは。
今日の話題はIoTの標準化を取り上げたいと思います。

前回の記事でChatUI 『Prompt』の目指す未来を音声で実現する可能性がある端末としてAmaon Echoを取り上げました

ここには当然、家庭用のパーソナルアシスタント端末としてのデファクトスタンダードを目指すAmazonの思惑があります。
そして、それを考える上で気になってくるのがIoTの標準化の問題です。

2135633757_4be2f7803f_z出典:Flickr Anders Sandberg

Internet of Things (モノのインターネット)

あらゆるものがインターネットにつながり、人と人、人と機械、機械と機械が通信を行うことで、世の中の最適化や効率化あるいはこれまでにはできなかったような全く新しいことを実現してくれるというビジョンですね。
Internet of Thingsという言葉はよく聞くようになりましたが、私たちがこれがそうかと目に見える形で実感するのはもう少し先になりそうです。

そして、IoTを考える上で重要になってくるのがIoTの標準化の問題です。
これは経営者の方も、現場の開発者の方も、マーケティングに関わる方も、今後、この分野での起業を考えている人も、あるいはひとりのユーザとしての視点からも今後、どのような方向に進みそうなのか大変気になるところだと思います。

ということでIoTの標準化、私も色々とリサーチしてみたのですが、全体像がなかなかわかりづらいですね。
確かにInternet of ThingsといってもThingsについては、家庭用から工業用、農業、医療、自動車、、、、とありとあらゆる業界に関わってくるので、一筋縄ではいかないですよね。

標準化に動いている会社を見ても、家電メーカーから、半導体メーカー、ソフトウェアメーカー、オンラインサービス提供企業と広範囲にわたって幅広い企業が関わっています。その様はまるでK-1のような異種格闘技戦のようです。
各社各様の政治的意図を元に腹をさぐりあいながら主導権争いをしているけれども主導権争いを横目で笑うように現場での争いを進めている企業が先行している、といったように見えます。

また、どの記事を読んでも標準化の方向性が見えないことに消費者が苛立っていると書いてあるので(笑)、実装に関わっている人からしても色々なプロトコルが乱立していてどこに進んでいくのか様子見をしているというところなのでしょうね。

リサーチする中でなんとなく管理人がそれとなく理解できたのが下記の2点です。
(※全体像がわかりづらいので、わかりやすい視座を提供できる、この分野に詳しい方がいればぜひ教えてください)

1. OCF(旧OIC)とAllSeen Allianceを巡る主導権争い
2. 上記とは異なる動きでいち早く家庭用のデファクトスタンダードを目指すAmazon Apple Googleの戦い

まず、1のOCFとAllSeen Allianceの主導権争いについては、下記の記事にまとめられています。

IoTの標準規格、OCFが発足 クアルコム、インテルらが協調

Allseen Allianceはどうなる? IoTでクアルコム、マイクロソフトが競合陣営に参加

IoT標準化団体のOICとUPnPが合併へ (1/2)

Cisco、Intel、GE、Sumsong、IBMなどの企業が参画するOCFとLG、Microsoft、パナソニック、Qualcomm、ソニー、シャープが参加するAllseen Allianceが標準化を巡って争っているという構図です。
両者ともLinux Foundationを母体として設立されており、両者とも、目指すところは開かれたIoT業界の標準化仕様の策定が目標です。

そして、これらの企業が標準化を目指す背景にあるのが、おそらくこのままでは、AppleかGoogleに都合のよい仕様がデファクトスタンダードとなってしまう点を避けたいという背景があるのだと思います。

ご存知のように、AppleとGoogle、つまりiOSとAndroidで世界のスマホOSのほとんどを独占しており、ユーザ側から捉えた時のIoTとしては最も有利な位置にいるわけです。

その、どちらかがデファクトスタンダードを握ってしまった場合、自社に不利な仕様とされても何もいえないという危機感から標準化によって1社が圧倒的に力を持つ状況を避けたいと。

AppleはApple Homekit、GoogleはGoogle BrilloというIoT用のプラットフォームを提供しています。

グーグルのIoT向けOS「Brillo」--アップル「HomeKit」との比較から考える可能性

ところがいざふたを開けてみると、この分野でいち早く先行しそうな兆しが見えてきたのが、すでにAmazon Echoという端末によっていち早く家庭に端末を送り込んでいるAmazon。

Amazonの有利な点は、IoTというのは、モニターしたデータを常にサーバに蓄積する必要があるわけですので、クラウドサーバの利用が必須になります。工場などで異常を検知するセンサーなどと連携したIoT環境を考えてみると、通常時は異常がないわけですから、それほど大きなサーバ容量は必要ありません。ところが異常時は急激にデータ量が多くなるわけですから、異常時のみに限定した冗長性が欲しいわけです。

Amazonが提供するクラウドサービスAWSはクラウドサービスとしては世界でも先駆者的な役割を担った位置づけにありますので、IoTに関連したサーバを構築する上ではAmazonが占める位置づけは大きいわけです。それに輪をかけてAmazonというのはエコシステムを作るのが非常に上手な企業です。AmazonのオンラインショップにおけるAmazon FBAやアフィリエイトプログラムなどをとっても、消費者との間に互いが有利になるエコシステムを作り上げ、新規参入分野においても無視できないシェアを奪いに行くというのは上手な企業な気がします。

先日もAmazon Undergroundというソーシャルゲームが無料になる取り組みを行っていました。
Amazonが設立以来、配当も行わず、常に赤字を続けながら、大胆な投資を続け、規模の拡大を行い続ける企業であるというのは有名な話ですが、採算性を無視したかのように見えるような、消費者にとって利便性が高いようなスキームを提供し、いちはやく消費者の支持を受けながらデファクトスタンダードを築き上げていく可能性もあります。

下記のような記事もあります。

GoogleやAppleを抑えて、スマートホーム市場を勝ち抜くAmazon Echo

IoTと一口にいっても、家庭用のスマートホームのようなわかりやすい分野から工場用のセンサーのように、完全に消費者とは直接の関連性を持たない分野まで幅広くあるので、いちがいに家庭用のデファクトスタンダードを取る企業があってもBtoBはまた別の展開という可能性も十分考えられます。(企業にはMicrosoftが強いですしね)

と書いてみましたが、正直、歯切れの悪いようなことしか書けない状況です。すいません。。。
なにせ、この世界は、各社が3,4本の手でそれぞれ別々に握手しながら、さらに別の手で腹を殴りあっているような状況なので、なんとも俯瞰した絵が描きにくいですね。

そもそも、操作端末にしても、今はスマートフォン全盛の時代ですが、今年からAR/VRの市場形成がなされて、スマートフォン自体のプレゼンスが低くなる(なくなることはないでしょうが)ことも影響してくるでしょうからね。そうすると、上の議論では存在感が薄いFacebookやHTCなんかが主役に躍り出てくる可能性もあるわけですからね。

いずれにせよ、ひとつだけいえることは、標準化についても家庭への侵入にしても日本企業のプレゼンスが低い印象を受けるということですね。パナソニックは総合家電メーカーとしてわかりますが、面白いことを仕掛けていくような体質はなさそうに見えますので、目をひくプレイヤーとしてはソニーくらいしか見えなくなってきましたね。
シャープを始めとした家電メーカーがこういう状況なので、仕方がないのかもしれませんが。。。。

と勝手なことを言っていますが、日本企業にもがんばって欲しいところです。

引き続き調べて紹介していきたいと思います。

(※この分野に関する専門家の方からの参考情報や各立場からのご意見・アドバイスなどあればお待ちしております。。)

 - Artificial Intelligence, Internet of Things, マーケティング