2016年のインサイト。アテンション・エコノミーの中の新しい世代へのマーケティング

   

アメリカの老舗広告代理店FCBの南アフリカ支部でstrategic planning directorを担当するDavid Smytheさんが2016年の広告・マーケティング業界に対して述べたエッセイです。

エファーマル・マーケティングだけでなく、アテンションエコノミーの中でマーケティングを行う際の考え方が書かれています。
少し長いですが、現代のマーケティングを考える上で参考になる重要な知見も述べられており、また最近のトレンドも網羅されているので、非常に読み応えがあります。

特にアテンション・エコノミーを考える上で、消費者の選択肢を減らし、決定プロセス(ディシジョンメイキングプロセス)をシンプルにするというのはできそうでなかなかできないことです。

勇気を持って減らす、ということですね。

スティーブ・ジョブズなんかはこの能力でAppleを世界一の企業にしたのではないかと考えていますが、増やすより減らすほうが実は難しいんですよね。

ビジュアルを重視せよ、とかストーリーはシンプルに、と言っているエッセイがかなりのボリュームの文字だけの文章だったりするのはご愛嬌ですが、事例もたくさん取り上げられており参考になります。

文章後半のミレニアル世代について述べられた箇所は、日本にも当てはまるよう特徴のように思えます。
情報量が多いということもそうですが、SNSを使って海外の情報にもすぐにアクセスできるという環境もありますので、外国人にも伝わるように「より、シンプルに」を具現化した企業がグローバルに優位性を持つのではないでしょうか。

日本というのは、本来は、禅の思想にあるようにSimple is the bestが上手な国だと思うのですが、必要以上に物事を複雑にして自分で自分の首をしめているようなところはあるかもしれませんね。

3250085382_3dda490b00_z出典:Flickr Andrew E. Larsen

2016年のインサイト。アテンション・エコノミーの中の新しい世代へのマーケティング

"Our Worldview(私たちの世界の見方)"と名づけられたマイクロソフトのマニフェストの中で、
CEOのSatya Nadellaは述べている。
「私たちはコンピュータのリソースが希少である世界から、ほとんど制限を受けない時代へと移動している。
そしてその中で、本当にますます希少になっているコモディティというのは人間のアテンション(注意を引くこと)だ。」

かつてこれほどまでに、ブランドがオーディエンスのアテンションを得るのにそれほど一生懸命になる必要があることはなかった。
。ブランドがユーザを喜ばせたり、情報発信を行う前に、そのコミュニケーションは気がついてもらう必要がある。
それゆえ、アテンションは効果的な宣伝広告のための最も必要な成分なのである。

現代のマーケッターにとっての困難というのは私たちのアテンションが安定しないことではなく、むしろ弱くなっていることである。
2000年に人間があるものに12秒集中できたとするのなら、私たちは今、8秒しか集中できないのである。

この現象は何も最近のことである必要はない。10年間で作られたものである。
1978年にノーベル経済学賞を受賞したHerbert Simonはこう言っている。
「情報はその受取人のアテンションを消費する。それゆえ、情報が豊かになるとアテンションは貧困になるのである。」

結局、現代の消費者がほぼ完全にテクノロジーによって情報へのアクセスが比較的簡単になったことに帰結する。

消費者のテクノロジーとメディアへの関係性は抜本的に変わってきた。
Jon HammのキャラクターであるMad Men(※訳者注:アメリカの1960年代の広告業界を描いたドラマ)は21世紀に現代のマーケティングがどうであるかを知り、困惑し途方にくれるだろう。
タイムトラベルを行うDon Draperの脳は2015年のマーケティングの刺激物の集中砲火にうまく対処できることはないだろう。
幸運なことに(あるいは不幸なことに)タイムトラベルを行ったわけではない私たちは、私たちの脳がアテンションで弱らせれているのにも関わらず、多かれ少なかれ対処している。
これは私たちの脳が高度に順応する能力があるからである。"plasticity(訳者注:可塑性。力を加えても元に戻らない性質。ここでは順応力、適応力の意味)"として知られるプロセスによって。
脳は脳の細胞と私たちの人生でのコースとの間に新たな結びつきを構築することによってい再組織化する驚くべき能力を持っている。

このことは当然良いことだ。なぜなら、私たちが以前より多くの情報を消費し加工できることを表しているからだ。
2008年にはアメリカ人は1日で33ギガバイトの情報を消費していた。
2015年ではアメリカ人は平均で1日あたり74ギガバイトまたは1年あたり8.75ゼッタバイト(これは8.75兆ギガバイトにあたる)の情報を消費している。

それゆえ、アテンションとリテンション(継続してアテンションを得ること)を区別することが重要になる。
一度アテンションを得たメッセージが継続されるかどうかについては何も言うことができない。
メッセージが継続して注意を引くためには、適切でありなおかつ説得力がなければいけない。
メッセージの継続はもちろん一過性のものである。
情報に簡単にアクセスできるということは、将来的には、必ずしも記憶に留めなくとも何かを検索できるようになることを暗示している。

私たちを取り巻くテクノロジーと情報へのアクセスの容易さ、そして、刺激物の一斉発射は本当に情報の豊かさとアテンションの貧困さを生み出している。
このことはブランドとマーケッターにとってゲームがもう終わっているということを意味するわけではない。
このことはシンプルに、私たちが、マーケッターによって影響が与えられていたサプライベースの(供給者側が主導を持てる)メディアシステムから、
消費者によって動かされるデマンドベースの(需要者側が主導権を持つ)メディアの世界へ移動していることを意味している。

下記は、アテンション・エコノミーの中でマーケッターがメリットを得るためのトレンドである。

トレンド1 : ストーリーテリング、ストーリーメイキング、ストーリービルディング(ストーリーを語ること、作ること、組み立てること)

ストーリーはアテンションを維持させるためのすぐれたテクニックだ。なぜなら、ストーリーは私たちを混乱から解決へ導いてくれるからである。
広告というのはつまるところ、救い(あがない)の物語だ。
ストーリーは私たちがアイデンティティを持つテーマを含んでおり、人生に関しての情報を受け取る好ましい方法について教えてくれる。
もっとも重要なことは、人道的でありストーリーテリングによって豊かになった情報というのは説得力を持ち、とても記憶しやすくなるということだ。

1.1 ストーリーテリング(ストーリーを語ること)とストーリーメイキング(ストーリーを作ること)

ストーリーを作ることは、ブランドのオーディエンスをストーリーテラーにするプロセスである。
実際に、ブランドはこれまで数年間これを行ってきた。推薦文やTweet、Instagramの写真やその他無数のユーザ生成型コンテンツという形をとって。
この種のストーリーメイキングというのはそれ自体完全に受け入れられやすい行動である。
always-on marketing approach(いつでもそこにいるマーケティングアプローチ)が考慮されており、
またオーディエンスが参加するために十分にシンプルなものだ。

進化したブランドのストーリーメイキングは少し違っている。
ブランドはファシリエイター(司会役)であり、キュレーター(学芸員)であり、リディストリビューター(再配達人)であるままだが、
意識的に、オーディエンスを、彼ら消費者が見たいと熱望する構造を持ったブランドストーリーへガイドとして案内する。

ブランドのストーリーメイキングの最も先進的な最近の事例の一つはCoca Colaの"Share a Coke"キャンペーンである。
そのキャンペーンから得られる洞察があまりにも強力だったので、FCB South Africaがそこから同じように参加型のキャンペーン"Share a Coke with Bobby"を生み出したほどだった。
FCB JohannesburgのExecutive Creative DirectorであるJonathan Deebはこの新たなポイントの後ろに潜む洞察について下記のように語っている。
「"Share a Coke"の成功をリサーチする中で、私たちは、南アフリカ中で展開される様々な活動を通じてパーソナライズされた缶を作ることを許されたコカコーラのファンがその機会を利用して商品に短い文章を入れていたことを発見したのです。
この洞察を具現化するために、私たちは、オリジナルキャンペーンと同じようにそれぞれの缶に名前を入れるというだけでなく、参加者がメッセージを作り出し、文章も入れられるようにすることを選択したのです。」
例えば、「Neo.Hug Me」や「Tumi.Go Wild」といったような。

このことは、ストーリーを作るために、まずストーリーを語らなければいけない理由を表している。
参加をしてもらうために、ストーリーを語ることで口火を切るのだ。
この数年間の間に、いくつかのブランドは良いストーリーメイキングが良いストーリーテリングから生まれていることを認識することに成功し始めている。
Bud Lightの"Whatever, USA"キャンペーンは#UpForWhatever story.というブランドを語るキャンペーンに先行している。

1.2 リアルタイムのストーリービルディング(ストーリーを組み立てること)

マーケッターたちはメディア、テクノロジー、データを収斂させることがブランドのストーリービルディングにとっての燃料になることを知っている。
消費者がコンテンツを生み出し、シェアすればするほど、マーケッターは前例のないチャンスを得る。
ストーリービルディングはコラボレーティブ(協力的)であり、一筋縄ではいかず、そしてスピード文化の中に現れる。
データや分析を駆使することで、マーケッターはその瞬間に消費者が何を求めているかに関する洞察をリアルタイムで取り出すことができる。

ブランドとして、Dr. Pepperはある特定のタイミングでオーディエンスが何を望んでいるのかを理解する e-listening(訳者注:デジタルメディアでのユーザ動向に耳を傾けること)をうまく利用している。
ブランドは年間計画をまとめてはいるが、即興で変更されることを恐れていない。
このことは慎重に耳をすませることですばらしいストーリーを組み立てるのに十分な柔軟性をブランドに与える。
ブランドのマントラである"Be One of a kind"(スペシャルであれ)はブランドのストーリービルディングに肥沃な領域を与えている。
一つの例はthe Baltimore RavensのJustin Tuckerがブランドについて投稿した時のことだ。
明らかに彼のOne-of-a-kindness(スペシャル)な点は彼が7カ国語でオペラが歌えることだ。
Dr. Pepperは彼と3分間のみにフィルムを一緒に撮影した。
このことをローカルニュースが取り上げ、ついで、ブログが取り上げ、最終的にナショナルメディアが取り上げることになった。

1.3 ヴィジュアルをもちいたストーリーテリング

情報とビッグデータが押し寄せる世界において、マーケッターの仕事はさらなる情報を作り出すことではない。むしろ、すでにそこにあるものに意味を与えることなのである。
ここにビジュアルストーリーテリングが介在する余地がある。
データと統計学の影響を受けながら、画像ベースのソーシャルメディアプラットフォーム、Tumbler、Pinterest、Instagramなどは急加速して既存のテキストベースのプラットフォームを追い抜こうとしている。
このことは大きくはPicture Superiority Effect(訳者注:文字より画像の方が人間の記憶に残りやすいという研究結果)の影響である。
私たちは視覚的な存在なのである。
脳でのコミュニケーションの90%は視覚的なものである。また、私たちの脳の半分は視覚の処理に関するものを含んでいる。例えば、1/10秒以内にヴィジュアルを解釈する能力といったような。
別の言い方をすると、私たちの脳はテキストの60,000倍ビジュアルについて扱う。
視覚的な要素はアテンションの獲得だけでなく、メッセージのリテンションへの問題を解決することにも寄与する。
下記はマーケティングの中でビジュアル・ストーリーテリングをさらに強化する理由とTIPSである。

a.) イメージは脳へのショートカット(近道)である。
b.) テキストを思い出す時の65%はビジュアルが沿えられたテキストである
c.) イメージがタイムリーであればあるほど、インパクトも強くなる
d.) 少ないほうが多くを得られる。テキストは最小限にしろ(上限を16語とせよ)
e.) ヴィジュアルストーリーテリングは洗練されている必要はない。少しくらい粗い方が信ぴょう性が出る。

トレンド 2 : エファーマル・マーケティング(一時的なマーケティング)(Ephemeral/momentary marketing)

何人かのマーケッターやアナリストはエファーマル・マーケティングをただの、はかないもの(一時的なもの)に過ぎないと主張している。
もし消費者がアテンションに弱められていて時間も奪われているのであれば、一時的な(できれば関連性があれば理想的だが)ブランドコンテンツが大当たりする理由になる
なぜなら、広告が10秒で消えてくれることを望んでいる人たちがたくさんいるのだろうから!

Snapchatの流行はこのことの十分な証拠のように思える。
最も早く成長したソーシャルネットワークとして、このプラットフォームはデイリーアクティブユーザ1億人をかかえ、毎日4億個のスナップを行うオーディエンスに支えられている。
いくつかのブランドは複合的なコミュニケーションの一部として彼らとの間のエファーマル・マーケティングを取り入れている。
2015年にCoachella(訳者注:アメリカの音楽とアートのフェスティバル)で、Heinekenはフェスティバルの間ならいつでも見られるサプライズショーへの鍵としてスナップをすフォロワーたちに送った。
正しいバンドやアーティストに反応したユーザはビールスポンサーのステージであるHeineken Houseへ早く入るための証明書を獲得した。

エファーマル・マーケティングはデジタルの領域だけに限られるものではない。
ブランドはヴァーチャルの世界においても創造性に富んだ方法で一瞬のマーケティングを実施することができる。
既存のマーケティングにちょっとした工夫を加えることで、ブランドは、簡単でなおかつ効率的であるというより小さな形での消費を望む消費者の欲求に応えることができる。
リオデジャネイロのビーチに集まる人たちのために、マクドナルドはカジノスタイルの自動販売機を用意した。
その自動販売機では、冷たい飲み物に交換できる時間制限付きのクーポンが発行された。
実は、有効期限が書かれているわけではなかったのだが、クーポンそれ自体が氷でできていたので、人々は溶ける前にマクドナルドの商品をゲットしようとしたのだ。

トレンド 3 : ミー・マーケティング(私マーケティング)(Me marketing)

広く普及しているトレンドにおいてはそれぞれの個人が今やマーケッターなのである。
そして、それぞれの個人は個人的にマーケティングされることを望んでいる。
このトレンドは2010年にNewYork Timesによって"Me Economy"と名づけられた。
私たちは"Me Economy"から"Me Marketing"に移行しているということができるだろう。
ブランドにとって、個人個人の固有な欲求やニーズを持つ消費者たちに対して、そのように語ることでアテンションを獲得する以上にパワフルな方法はない。
それは、私たちがコンテンツに対してどう反応したかということやコンテンツが現れた時にどう振る舞ったかという枝分かれも含んでいる。
アテンションを維持することを担保するためにパーソナリゼーションを利用するということである。

3.1 ブランドの声色を加速させるためのテクノロジー

コンピュータのスクリーンはユーザのパーソナルスペースにより近い。テレビがかつてそうであった以上に。
そして、モバイル・デバイスというのはもっとそうである。
このことはユーザにとってより親密な体験になるという結果となる。
消費者は自身のコンテンツキュレーターをどんどん増やしている。
そしてブランドはどんどん他の個人や他のブランドからのコンテンツと競合するようになっている。
これが、なぜ、個人的なトーンで語らなければいけないかの理由である。

3.2 ウェアラブル

ウェアラブル端末は、小売業者が消費者の購入前と購入中の間に引かれた線の間に点を打つことができる("join the dots")
Hyper-inconnected retail(高度に結びつけられた新しい形の小売)の新しい基準の先導役になるだろう。
そこでは消費者によりフォーカスされた形の新しい買い物体験をより早く届けることができる。
モバイルのapplication programming interfaces (APIs)(訳者注:他のサービスやソフトウェアから利用することができるプログラムのこと)の力を拡張することにより、
小売業者は、購入のための決定プロセスの中によりリアルタイムな入力を入れてより高度にパーソナライズされた提案や解決策を提示することができるようになる。
小売業者は、買い物の癖や興味や好みを利用して、より素早く、経験を考慮し、結びつけられた個人的な経験を提供することもできる。
小売業者は、さらに、決済システムや音声案内やソーシャルメディアのAPIを利用して、お店の中のどこにいても、支払いプロセスが円滑に進むようにすることができる。
ウェアラブル・デバイスを身につけた買い物客は、商品を見てそのバーコードをスキャンしたり、あるいはアプリ上で、買うことを口にするだけでそれを買うことができる。
そして、それを店内で購入するか家に配達するかも選べる。
これらはすべて行列を作る必要性を最小限にする。
そして、ブランドと小売店との間の取引に関してイノベーティブな新たな手段を提供するポテンシャルも持っている。

3.3 パーソナルでない世界でパーソナルなアテンションを伝える

消費者はパーソナルなアテンションと信頼できる関係性を求めている。
ある程度までは、デジタルの爆発がこういった個人的な関係性に浸透していく。
不便であることは脇においておいて、30年前、あなたが地元の銀行に行くと、(ブランドの代理人である)銀行の窓口係は、
あなたの名前や、ちょっとしたあなたの家族のことや、あなたがどこで働いているかや、あなたがどこに休暇にでかけたのかをだいたい知っていた。
こういった親密さは現在ではあまりリアルではない。
しかしプログラムがこのトレンドを逆転させようとし始めている。
それらはブランドに対して、消費者が望んでいる個人的なアテンションを提供することを可能にしているのだ。
インターネット上に一般的なディスプレイ広告を貼りつけて正しい人が見てくれることを期待する代わりに、ブランドは彼らの顧客に対して広告体験に革命を起すためにパーソナライゼーションを利用できるのだ。
ブラジルのアパレル小売業のDafitiは母の日の1週間前にユーザに対してパーソナライズされた商品のリコメンデーション(推薦)を行った。
ブランドは誰にでも同じ一般的な広告を利用する代わりにそれぞれのユーザの購買履歴に基づいたリコメンデーションを行った。
この結果、2週間の間、売上高を50%も引き上げることに成功した。

トレンド4 消費者の決定の旅を楽にしてあげる

マーケティングと情報の過多は時に消費者を麻痺させてしまう。
消費者はシンプルに情報が多すぎると感じてしまうのだ。
時間が奪われることによって適切な選択ができていないのではないかと消費者が感じることも起きている。
ユーザの決定プロセスをよりシンプルにしたことで知られるようになったいくつかのブランドは平均より不釣り合いなアテンションを担保することができている。

いくつかのトレンドはユーザの決定プロセスを楽にしてあげるように働いている

4.1 人工知能

もちろん限界はあるのだが、未来志向のいくつかの企業はユーザの決定プロセスを拡大しまた楽にするために人工知能を利用し始めている。
AI(人工知能)はすでにメジャーブランドでも利用されている。
BMWは2年前に初めての電気自動車を出す際の広告キャンペーンにこのテクノロジーを採用した。
このiGeniusテクノロジーはテキストを通じて顧客の質問に応えることを可能にするものだ。
これによりBMWは質問に応えるためのディーラーやカスタマーサービスのスタッフの研修費用を削減しようとした。

4.2 多くのブランドが顧客を混乱した購買行動へ導いている。やり手のブランドは道を単純化しパーソナライズする

顧客が選択を評価することを助けるために、ブランドは、主な特徴とメリットを記載する傾向にある。
また、ブランド比較や商品比較が含まれた購入ガイドを提供する会社もある。
これらのアプローチは両方、情報を増やすものだ。
しかし、ガイダンスが増えれば増えるほど、ユーザは以前より混乱してしまい去ってしまうのだ。

マーケッターは顧客に対して彼らが最も望んでいることが何かを特定させ、その特徴を評価できるようなツールを提供するべきなのだ。
Herbal Essencesはオンライン上でシャンプーを選択するための良い方法を取っている。
簡単で明瞭で一歩づつ進む選択肢を利用することでユーザは選択を狭め、自分に合ったものが選べるようになっている。
髪型や、髪の長さや、髪の性質(直毛、短い、細い、太いなど)や他のニーズ(カラートリートメントや髪のボリューム)を選ぶことによって、訪問者が30以上の商品の中からすぐに理想のひとつを選ぶために並び替えできるようにしてあるのだ。
(訳者注:USA版サイトにはこの機能はありませんでしたのでUSA版以外の国のサイトを指しているのだと思われます。)

トレンド5 ブランドの犠牲

私たちは、消費者に対して決定プロセスをシンプルにする企業が平均以上の不釣合いなアテンションを獲得するということを議論してきた。
ミレニアル世代(訳者注:1980年代~2000年代に生まれた世代)の消費者にとって、最底辺のことに注意を払う企業やブランドというのは

ミレニアル世代でない消費者よりミレニアル世代のほうが日々の購買ややりとりの中で、企業に対して、商品の選択をサポートして欲しいという信念や理由が明確に一つになっている。
少なくとも少し利他主義すぎると思われるブランドの方が予想に反してミレニアル世代にはより多くのアテンションを引くことができるのだ。

21世紀において、ブランドは平均以上に不釣合いなアテンションの犠牲となることを楽しむべきなのだ。

犠牲は大きくも小さくもよいが、それだけが世界をあるいは顧客の世界を変えることができるのだ。
パタゴニアの例を取ってみよう。
この企業は、顧客に対して、ここ数年の間"buy less(あまり買わないようにしよう)"キャンペーンというのを行っている。
これは、顧客に対して、彼が買ったものがボロボロになるまで着ることを提唱するものだ。

ギネスは256年続いたレシピからアイシングラス(魚から取れるゼラチン)の利用をとりやめた。
ビーガン(訳者注:完全菜食主義者のこと)のビールマニアが商品を手に取ることができるために。
ギネスのファンが離れてしまうというリスクを避けたのだ。
Teslaは所有するパテントに対する権利を行使していない。それによって他の企業がアイデアを利用できるように。
インテルは紛争地帯から採取される鉱物の使用を数年前にストップした。

原典:Insights 2016: Marketing to a new generation in the attention economy

 - 海外起業コラム